ストーリー
もしも祖母に軟禁されていなかったら———
少女ジェーンの叶わなかった欲望で呪われた館。
一歩中に入ってしまったら、
あなたはこの無限に続く欲望の鏡の中から
抜け出すことはできない。
抜け出すカギは一つのみ。それは…?!



死霊の館から20年…。
少女の終わらない欲望が今、溢れ出す…。
彼女は待ち続けていた。
果たされなかった約束が守られることを。
果たされなかった約束に復讐するために。
ジェーン・エバンスは街のはずれの洋館に、年老いた祖母と二人っきりで住んでいた。
人嫌いの祖母は、ある事情から数十年にわたり街の人々と全く接する事もなく息を殺すかのようにひっそりと暮らしていたのだった。
ある日、たまたま洋館の庭に迷い込んだ少年は「少女」となかよくなる。
「少女」にとって生れて初めての友達。
新鮮で楽しい日々だった。
しかし、やがてその事が祖母に知られてしまった。
祖母の逆鱗に触れ、「少女」は少年から遠ざけられてしまう。
「きっと、また遊びにくるよ…」
「絶対だよ、約束だよ。」
しかしながら、約束は守られる事はなく、長い月日が経った。
祖母も死に、洋館も朽ち果てていく。
しかし…
「少女」はずっと待ち続けていた。「鏡」の中の自分に話しかけながら…。
自らの命が尽き果て、その身が滅んだ事も知らぬまま。
果たされなかった約束が守られることを。
果たされなかった約束に復讐するために。
この洋館に迷い込んでしまった者は気をつけた方が良い。
奇妙な廊下。壁全てが「鏡」の空間に着く影。
不気味に飾られた衣裳部屋。
ピアノの旋律に導かれるように進んでしまう。
この洋館の住人は幼い「少女」、ただ一人きり。
無邪気に遊びに招いてくる。
しかし、それは逃れられない「死者」の遊び。
復讐のための呪いのゲーム…。
迷い込んだ人々は死の異にかかり、
恐術に震えながら「少女」の魂の叫びを聞くことになる…。
「お、おねがいっ、ここからだして…。」
とある日、町の外れの朽ち果てた洋館に、大きな落雷があった。
普段から誰もが近寄らないため、幸い被害者も居なかった。
しかし、落雷後、不思議で奇妙な目撃談がされるようになる。
それは…、
幼い少女の形をした青白い炎が、夜な夜な洋館を抜け出ていき、
毎回同じ方向に向かっては途中でフワッと消えてしまうと。
煙が向かう先には、木々に囲まれた奇妙な建物が建っている。
その建物は鏡の額縁で覆われており、近寄ってはいけない雰囲気を漂わせている。
しかし、気付くとあなたは建物の前に立っていることになる。
そこで、あなたは喜びと悲しみが入り混じった様な不思議な声を聞くことになる…。
久シブリダネ、
ズットズットマッテタヨ…。
今度ハ、ニガサナイヨ。
幼くして「祖母」に引き取られて、長年外に出されることもなく、二人きりで住んでいた。「祖母」とは仲が良かったが年頃になると外の世界が気になり、とある日、館から庭に出て、「少年」と出会い、また会うことを約束した。しかしそのことが「祖母」に知られ、館に閉じ込められてしまう。徐々に狂い始め、「祖母」そして「少年」を恨み殺してしまう。
死霊の館に悪霊として居続けた少女の魂は「死霊の鏡」で解放され、過去に叶えられたなかった、自身の欲望を満たすために、不思議な世界を創り出す。
昔引き取った「少女」を必要以上に可愛がるあまり、思春期を迎えた「少女」が黙って外に出たことを知るとその態度が一変、異常な拘束をすることになる。最終的には「少女」に呪い殺されてしまう。「死霊の鏡」では、少女の欲望の世界の中で、「忘れたい思い出」として片隅に登場する。
庭から館に忍び込み、異様な光景を目にした「少年」。 ずっと待っていたのになぜ会いに来なかったのかと、「少女」に逆恨みされ、呪い殺されてしまう。少女の魂が解放された「死霊の鏡」では、少女のが描く欲望の世界の中で、「好きな人」として登場するが、 様々な悲劇の対象となってしまう。
もしも祖母に軟禁されていなかったら———
少女ジェーンの叶わなかった欲望で呪われた館。
一歩中に入ってしまったら、
あなたはこの無限に続く欲望の鏡の中から
抜け出すことはできない。
抜け出すカギは一つのみ。それは…?!
彷徨える少女ジェーンの終わることのない欲望に呪われた鏡の館。
迷い込んでしまったあなたは巡っているうちに物語に憑依されてしまう…。
そして最後はあなた自身がジェーンの友達として決めなければならない。
恐怖に打ち勝ち、ジェーンを救うのか。それとも恐怖に慄き一生ジェーンに呪われるのか。
様々な形の額に入った鏡が貼られた、古びた洋館。周りの景色を映しこみ、まるでその存在を隠すかの様。一瞬、鏡に少女が映り込んだ?様に見えたが、気のせいか!?
扉を抜けると、そこは暗闇の通路空間。床はふわふわとしており、優しく感じる。
山積みになった人形。
人形の目玉はくりぬかれ、所々血を流したり、何故か蛆が湧いたりしている…。
早くその場を去りたいと思ったその瞬間…。
薄暗い道を恐る恐る進むと、二人の子供の姿が見えた。 仲良く砂遊びをしているようだ。
ほほえましい光景に少し気が休まる…、すると突然、少女と少年の影だけが動き始めた!
少女はハサミを手にして…。
ジェーンが楽しそうにハミングしている声が聞こえる。ペットを飼いたかったのだろう。
犬が見える…?
学校のチャイムが聞こえる。
目を凝らすと中央にはジェーンが立っており、
周りには無数の友達の顔が見える。
友達ができたのだろう。
ジェーンは嬉しいのか笑っている。
先に進むとそこは学校の教室。長い廊下を抜けると、机が迷路のようになった教室が広がる。その先に進むと、1つの机だけ異様に荒れている…。
右側の通路を選ぶと、
足元に芝生のようなものが広がる真っ暗な空間。
虫の鳴き声やブランコの揺れる音が聞こえる。
どうやらここは公園?
左側の通路を選ぶと、曲がりくねって先が見通せない通路。 猛スピードで走行する車の音が徐々に大きく聞こえてくる。
教会のファサードが目の前に現れる。
教会の鐘の音が 「ゴーン!ゴーン!」と響く。
美しいステンドグラス。
パイプオルガンで奏でられた結婚協奏曲が流れ始める。
ジェーンの結婚式なのだろう。
写真がずらりと並んだ廊下。
そこには、ジェーンだけでなく、仲が良かった「祖母」、仲良くしたかった「少年」、同じクラスになったかもしれない「クラスメイト」「先生」 結婚写真など…。ジェーンの欲望の中の記念写真が飾られている。
食材として吊り下げられた牛や豚が入った袋の間を縫って先へと進むと、異臭漂うキッチン。
ジェーンが料理をしている?
ジェーンと大人になった「少年」?との家族団らんの食卓。
「少年」の背後から回りこむと異形な肉片や昆虫などが口の中に突っ込まれている…。ジェーンの膝の上に抱きかかえられた子供の人形が。
子供を望むジェーンの欲望の表れなのか…?
誰かがシャワーを浴びているシルエットが見える。
シャワーがキュっと、止まると…。
赤ん坊はいないが揺れ続けるゆりかごを横目に先に進むと、寝室にたどり着く。
シクシクとシーツの下で誰かが泣いているようだ。
先へと進むと、まるで自分が赤ん坊になったかのような空間。
周りは柵で囲われ、
不吉な音楽を鳴らしながらベッドメリーが回っている音がする。
鏡張りの部屋にたどり着く。
するとそこには、ジェーンがポツンと立っている。
あなたは私の友達だよね … 。
友達が欲しかったジェーン― 。
ただどうやって仲良くなれば、
友達ってなにをすればいいのかわからなかったジェーンの歪んだ愛情表現が
あなたを苦しめてしまっていたのだ。
そんなジェーンをあなたは許せる?
許してあげられるなら、
ジェーンと仲直りの握手をしてあげて欲しい。
面積 / 約260㎡導線距離 / 約131m体験時間 / 約5-10分