2024/6/11

ルスツの羊毛「RUSUTSU WOOL」~サステナブルな取り組み~

毎年5月中旬、ひつじ牧場では年に一度の毛刈りが行われます。ひつじの毛は100%天然のウールで、世界最古のエコ繊維とも言われています。再生可能で土に還り、貴重な栄養素と炭素をゆっくりと放出しながら肥料としても機能します。また、海や大地への環境に悪影響を及ぼすマイクロプラスチックを発生させないため、汚染の原因にもなりません。他の繊維よりもエネルギーと水の消費が少ないのも特徴です。ルスツリゾートではサステナブルな取り組みの一環として、ひつじからの贈り物「RUSUTSU WOOL」を活用しています。

もこもこひつじが毛刈りでさっぱり

ルスツのひつじ牧場では、約400頭のひつじが毛刈りされます。スタッフだけでは厳しいため、毛刈り職人が3日間かけて行います。毛刈り自体も大変ですが、逃げるひつじを捕まえて転がし、毛刈りの体勢にするのもひと苦労です。重たくて振動のあるバリカンで1頭あたり約5分で刈る職人さんには感謝の気持ちでいっぱいです。ひつじがすっきりとした姿になる様子を見ると、見ているだけでも爽快な気分になります。

 

夏に向け、さっぱり涼しげな姿になりました。ひつじ曰く「顔が大きいんじゃない、体が細いんです。」

ボリュームたっぷり、牧場の香りプンプン

毛刈りした羊毛は、丸めて別の場所へ運びますが、これがまたかなりのボリュームです。ゴミを取るために作業台に広げると、約1.5メートル四方のフリース (1枚物) になります。1年間の汚れがたっぷりとついた羊毛の重さは約3~4キログラム、これが約400頭分生産されます。

スカーディングにも強力な助っ人が登場

ここからは、札幌で活動する羊毛作家「きりぎりすの会」の皆様や、テキスタイル作家「webkoko」様にスカーディングのお手伝いをしてもらいます。スカーディングとは、ゴミ取り作業のこと。汚れのひどいお尻やお腹の部分、摩擦で固くフェルト化してしまった部分を外し、牧草やゴミを取り除きます。これは、きれいに洗う前の大切な作業です。毛刈り職人は3人いるので、約5分で3頭分の羊毛が次から次へと運ばれるため、休む暇なくスカーディングを行います。どこが不要で、どこまでが使えるかを判断する助っ人の皆さんのおかげで、作業も非常にはかどります。

ひつじの品種で用途が変わります

ルスツファームでは、テクセル種とサフォーク種の2種類のひつじを飼育しています。品種により毛質が異なります。白い顔のテクセルは毛が長く、ハリ・コシがあり、しっかりとした毛質で織物に適しています。黒い顔のサフォークは柔らかく空気を含み、肌に当たってもチクチクしにくいため、セーターや靴下、マフラーなどの編み物に適しています。比べると一目瞭然で、テクセルはしっかりしていて、サフォークはふわふわです。スカーディングをしていると、テクセルとサフォークの匂いの違いもわかってきます。同じ餌を食べているのに不思議です。

RUSUTSU WOOLは実店舗とオンラインでお買い求めいただけます

「RUSUTSU WOOL」は、ウェスティン ルスツリゾート1Fの「ウィンターテール」とオンラインショップ「Hokkaido Rusutsu Marche」で取り扱っています。「ウィンターテール」では、スカーディングをお手伝いいただいたきりぎりすの会やwebkokoの作品も販売しているので、ぜひ手に取ってご覧ください。オンラインショップでは、1頭まるごとの原毛も販売中です。ご自宅で洗いや糸紡ぎなどを行う方にはおすすめです。他にも「RUSUTSU WOOL」の羊毛を使った手乗りサイズの木彫りのひつじも販売しています。まだまだ商品数は少ないですが、気になる方はぜひチェックしてみてください。

Hokkaido Rusutsu Marche

サステナビリティを目指して

今後も商品展開を進めていきますが、すべての羊毛が使い切れていない現状があります。商品の他にも、日本国内の羊毛を資源として活用し、牧場を支援することを目的とする「ジャパンウールプロジェクト協議会」にも原毛を買い取っていただいています。しかし、スカーディングの段階で質が悪く汚れがひどいものは廃棄せざるを得ないものもあります。サステナビリティを目指し、羊毛をフル活用できるよう、飼育環境など日々模索中です。

6/15(土) から、ルスツリゾート内の「ひつじひろば」がオープンいたします。ご宿泊のお散歩や遊園地の帰りなど、さっぱりとしたひつじたちに会いにいらしてください。

ひつじひろば