2025/9/9

参加者の声に応えて公開!「ミステリーレストラン2025」気になる4種類の結末とは?

この夏、ルスツリゾートで開催された体験型ディナーイベント「ミステリーレストラン 消えた婚約者と最後の罪」は、全公演を無事終了し、多くのお客様にご参加いただきました。

今回の物語は、参加者の投票によって結末が変わる「マルチエンディング」方式。「ほかの結末も知りたい!」というお声を多数いただき、このたびブログにて全4種類の結末を公開いたします。

これからご紹介する内容は、すでにご参加いただいた方には“別の物語”を楽しむきっかけに、まだ体験されていない方には、先にスペシャルドラマ「透明で、黒い」をご覧いただくことで、より深く物語の背景を感じていただけることでしょう。

スペシャルドラマ「透明で、黒い」

物語の始まり

アラタが失踪する1年ほど前。
週刊誌の記者であるタクミの母親に難病が見つかった。タクミは介護のために故郷に戻らなければならなかったが、田舎での仕事では医療費を賄えないと悩んでいた。

そんな時、”何でも屋”から連続放火事件の犯人に関する情報を手に入れる。タクミは記事にするため、その人物について調べた。

その犯人候補は父親と二人暮らしだったが、父親はすでに他界。離れて暮らしていた母親も病気で亡くなっていた。残された家族は姉のユズハだけ。タクミは裏付けを取るため、ユズハに近づく。タクミが事件について話すと、弟に対して後ろめたさを抱えて生きていたユズハは、事件を公にしない代わりに金銭を支払うと申し出た。タクミはその提案を受け入れ、50万円を受け取る。その後も毎月10〜50万円の支払いを受け続ける。

ユズハは薬品工場に勤めていたが、タクミへの支払いが厳しくなり、クラブスールで働き始める。ユズハはタクミと接するうちに、タクミから弟のソウタの住所を聞き出した。

姉弟の再会

過去にソウタを置き去りにしたことを悔やんでいたユズハは、事件の真相を知るため、そして今後は二人で協力して生きていくためにソウタに手紙を送る。

ソウタは姉からの手紙を受け取ると心から喜んだが、犯罪を犯している自分は、姉に会う資格がないのでは、と葛藤する。しかし、会いたい気持ちが強く、これを機に更生しようと心に誓う。

その夜、ソウタは姉の姿を一目見ようと、手紙に書かれた住所を夜中にこっそり訪れる。しばらく建物を眺めていると、1階の部屋から女性が慌てて出てくるのを目撃する。直感的に姉だと感じたソウタ。不審に思い、部屋を見に行くと、男性が倒れていた。

男性はキッチンの前にうつ伏せで倒れており、ソウタは反射的に逃げようと考える。しかし、ぴくりとも動かない男性の姿と、慌てて逃げ出した姉の様子から、何か悪いことが起きたのではと直感した。ソウタは男性の生死を確認するため、体を仰向けにする。男性は息をしていなかった。その顔を見てソウタはハッとする。それは、ソウタが6件目の放火をした際に写真を撮った男だった。石で殴った際に一瞬だけ見た顔を、ソウタははっきりと覚えていた。

男性のジャケットを調べると、財布とボイスレコーダーが出てくる。財布の身分証から、男が佐野アラタだと知った。ふとキッチンを見ると、「シアン化カリウム」と書かれた小瓶を見つける。ソウタは過去の経験から、それが青酸カリだと気づき、姉がアラタを殺害したのだと悟った。

ソウタは姉を守るために証拠を隠滅することを決意する。アラタの遺体と青酸カリの小瓶を車に積み込み、遺体が倒れていた場所に火をつけて放火した。その後、車で30分ほど走った山中に遺体を埋めた。

一方、罪悪感と恐怖から家に戻ったユズハは、アパートが燃えているのを目にした。炎を見つめながら弟のソウタを思い浮かべる。

後日、警察から連続放火の可能性について聞かされ、手口がいつもと違うため詳しく捜査すると告げられる。ユズハは、現場から遺体や小瓶が発見されなかったことから、ソウタが自分を守るために放火したのではないかと思い始める。

招待状

数日後、タクミの元に”何でも屋”から連絡が入る。あるショーの司会を依頼され、成功すれば1,000万円の報酬を支払うという。危険を感じつつも、タクミはその誘いを受けることにした。

同じ頃、ユズハとソウタの元にも招待状が届く。

ユズハの招待状には「あなたの家に火をつけた人物のことを知っています。レストランベルビューにお越しください」と、ソウタの招待状には「あなたが守ったものを知っています。レストランベルビューにお越しください」と書かれていた。

二人はいたずらだと考えようとしたが、同封されていた写真に凍りつく。ユズハの写真には、製薬会社から青酸カリを持ち出そうとしている自分の姿が、ソウタの写真には、アラタを埋め終えた直後の自分の姿が写っていた。こうして、アカリを含む4人がレストランベルビューに集まることになった。

参加者の選択によって変わる、物語の結末は!?

ミステリーレストランの中での出来事も踏まえて、参加者の皆様に、「最も罪深い人物」を投票で選んでいただきました。誰を選ぶかで、物語の結末が変わります。

アカリを選んだ場合
呆然とするアカリ。アラタを信じられなかった自分を悔やむが、ソウタとユズハは何も語らず、アラタの行方も不明なままショーは終わりを迎える。
アカリは、二人が真実を隠しており、また、そのせいでアラタに再会できないことを恨み、ナイフを持って二人を追いかけ、両方を刺してしまう。真相がわからないまま、憎しみから新たな罪が生まれる。

ソウタを選んだ場合
ソウタが自分の罪を打ち明けようとするが、ユズハがそれを遮り、自分の罪を告白する。ユズハはソウタの手を引いて立ち去るが、アカリはナイフを持って二人を追いかけ、ユズハを刺す。新たな罪が生まれる。

ユズハを選んだ場合
ソウタが自分の罪を打ち明ける。ユズハは慌ててソウタをかばおうとするが、ソウタはそれを制止する。二人が退出した後、アカリはナイフを持って二人を追いかけ、ソウタを刺す。新たな罪が生まれる。

タクミを選んだ場合
ソウタが自分の罪を打ち明けようとするが、ユズハがそれを遮り、自分の罪を告白する。放火も全てを自分のせいにしようとするユズハをソウタが制止し、ソウタも自分の罪を告白しする。復讐心に燃えるアカリは、ナイフを持ってユズハを刺そうとするが、ソウタがユズハをかばう。二人の生い立ちを知り、お互いにかばいあう姿を見たアカリは、復讐を思いとどまり、二人に自首して罪を償うことを約束させる。

その後、“何でも屋” を名乗る人物が表れ、ソウタが埋めたはずのアラタのボイスレコーダーをアカリに渡す。ボイスレコーダーにはユズハの家を訪れる直前に車内で録った声が残されていた。内容は「仕事が落ち着いたらまたプロポーズする」というものだった。アラタの最後の声を聴き「最後の罪」は生まれなかった。

 

ミステリーレストランでは、お食事とともに事件の推理や投票を通じて、目の前で変化するドラマをご体験いただきました。同じ物語でも選んだ結末によって残る余韻が異なり、まさに“一夜限りの特別な体験”をお楽しみいただけたのではないでしょうか。

次回の開催は未定ですが、またいつの日か、皆さまを“ミステリーレストラン”へご案内できる日を心待ちにしております。