2013/1/23

[1回] ドクターから学ぶアンチエイジング (総論)


最近見聞きすることが多くなった「アンチエイジング : Anti-Aging」。アンチエイジングというと、いつの世の女性も興味を抱く美容の世界がイメージされがちですが、そうした外見に限ったことではなく、身体の内側から若々しく、美しく、そして、健やかに、というのが「アンチエイジング」の本質的な考え方になります。つまり、トシを重ねるにつれて次々と現れてくる心と身体の老化現象にアンチ (対抗・抵抗) しようという様々な取りくみ、試みということです。

皆さんの多くは、寝たきりになって長生きしても意味がないと思っているのではないでしょうか。心も身体も若々しく、イキイキとした生活を送りながら健康的に長生きすることを医学的にサポートするのが「アンチエイジング医学 (抗加齢医学)」という学問であり、遺伝子治療、再生医療とともに21世紀に求められる医療の3本柱として各方面から注目されています。

老化するとは、「さびる (活性酸素による身体の酸化変性)」、「しぼむ (ホルモンや水分減少による身体の変調)」、「風化する (精神的弱体化)」という言葉で言い表すことができます。さらにここ数年前からは「こげつく (過剰な糖分による身体の糖化変性)」も重要視されてきています。遺伝的な老化要因はどうにもなりませんが、「さびる、しぼむ、風化する、こげつく」は何とかなる部分ですので、それぞれに対処したいものです。遺伝情報が全く同じ一卵性双生児の研究では、老化要因の25%は遺伝子ですが、残りの75%は生活環境やライフスタイルに起因することがわかっています。つまり、老化もなんとかなるのです!