2014/11/13

[13回] がんの代替・補完医療


私たちの誰もが恐れる「がん」。加齢とともに発症率は高くなりますが、アンチエイジングとかけ離れたライフスタイルであればある程そのリスクは大きくなっていきます。そんな「がん」にもさまざまな種類があります。ライフスタイルの欧米化や環境の変化、多様なストレス、喫煙習慣のツケなどにより、以前は多かった胃がんが減り、肺がん、乳がん、大腸がん、すい臓がん、前立腺がんといった種類の「がん」が増えてきています。最近「がん」で亡くなった著名人も、肺がんを筆頭に、これらの「がん」が多いのではないでしょうか。

いつの間にか私たちの身体に忍び寄り、蝕んでいく「がん」ですが、一方的に勝手なことをさせておく必要は断じてありません。「がん=敵」ができないようにしつつ、不本意ながらもできてしまった敵を体内の自衛隊(免疫細胞)を総動員してせん滅すればいいのです。「敵ができないようにする」には日々の健康的でアンチエイジングな生活が大切ですが、サポート役としてサプリメントやプラセンタ注射などの代替・補完医療も考慮されます。一方、「せん滅」には各種抗がん療法に加え、やはり代替・補完医療が力を貸してくれるのではないでしょうか。

数ある代替・補完医療のなかで「がん」に対する効果が医学的に確認されているもののうち、とくに注目すべき治療法を3つご紹介します。

オゾン療法 (血液クレンジング)

オゾン療法はドイツ、イギリス、スイス、イタリア、オーストリア、ロシアなどの欧州各国を中心に、様々な病気や体調不良、アンチエイジング目的などに利用されています (ドイツでは保険適応)。がん治療においては、標準治療との併用療法として相加的効果が期待されるばかりでなく、抗がん剤や放射線の副作用軽減効果 (全身倦怠感や食欲の低下、脱毛などの副作用を半分以下に軽減!) があり、QOL (生活の質) の低下をかなりの程度防いでくれます。本法は、通常の点滴と同じ要領で行われる30分程度の点滴療法であり、次に示すような多岐に渡る作用があることや、副作用の心配がほとんどないことから、導入しやすい治療法と言えるでしょう。

①血管拡張
②全身の酸素化
③免疫力の調整・強化
④抗酸化力強化
⑤エネルギーの生産増加 (パワーが20%アップ)
⑥代謝亢進
⑦血液サラサラ効果
⑧抗炎症システムの活性化。

高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度ビタミンC点滴は米国のNIH (National Institute of Health;国立衛生研究所) が承認する「がん」治療法として知られています。高濃度のビタミンC (50~100g / 1回) が体の中に入ると、活性酸素の一つである過酸化水素が大量に発生します。この過酸化水素は、正常細胞には影響を与えることなくがん細胞のみに強い傷害を加えることで抗がん効果を発揮します。 また、オゾン療法のようにがん治療に伴う生活の質の低下を改善したり副作用を軽減することから、有力な代替・補完医療として世界的に認知されています。

5種複合免疫療法、新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法

患者さんの血液から分離された、①キラーT細胞、②NK細胞、③γδT細胞、④NKT細胞、⑤樹状細胞の5つの免疫細胞を同時に培養し、活性化させて数を増やした後に点滴で体内に戻すという治療法です。オーケストラのように連携・協調して働いている様々な免疫細胞のうちの一つを活性化する従来の免疫療法をはるかに凌駕する新たな治療法と言えます。さらに、5種複合免疫療法を改良し相互作用を高めた「新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法」も開発され、より高い抗がん効果が期待されます。がんの再発予防や免疫力に不安をお持ちの方にも適応となります。

これらのうち、とくにオゾン療法と高濃度ビタミンC点滴療法 (がん以外では25g/回以下) については、がんの治療ばかりでなく、アンチエイジングに積極的に取り組んでみたいとお考えの方にもお勧めしたい点滴療法です。

※ いずれの治療法も保険適応外です。
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