2015/5/18
[16回] サプリメント基礎知識
ダイエットや健康の維持・増進目的、あるいは病気の予防、治療の一環としてとり入れられるサプリメント (健康補助食品/機能性食品) 。今やコンビニでも簡単に手に入るサプリメントですが、メディアからの情報や家族、友人の勧めで次々と購入していくうちに、金銭的にも量的にも膨れ上がり収拾がつかなくなってしまったり、医薬品や食品などとの影響を気にせずに、あるいは、分からないまま漫然と摂取し続けている方も少なくないのではないでしょうか。 そこで本コラムでは、上手に、安全に、効果的に取り入れるための基礎的な知識についてお話します。
サプリメントは何のため?
サプリメントはあくまでも食事を補助するものであり、各種栄養素は日々の食事から摂取されるのが基本であることは言うまでもありません。しかし、とくにビタミンとミネラルについては、食材の生育環境や生産方法が変わったことや、製造過程で栄養素が削り取られていく加工食品の多い食生活を強いられがちな現代人の多くは理想量には遠く及ばない傾向にあります。このような現状を考えると、代謝や抗酸化、抗糖化をはじめ、からだの様々な機能に広く、密接に関わっているビタミンとミネラルをファーストチョイスとすることが望まれます。これらはベースサプリメントとも呼ばれており、マルチ (主要なもの一式) で摂ることでより確実な効果を得ることができます。その上で目的別に効果が期待されるものを追加していくのが上手な利用の仕方と言えるでしょう。
サプリメントの選び方
では、流通しているものの中からどのような点をチェックして選べばいいのでしょうか。商品には原材料と配合量が記載されているので、まずはそれの確認です (明確な記載のないものはこの時点でNG)。原材料については含有量の多い順に記載されており、天然成分は食材名、生物名 (大豆由来レシチン、ビタミンB1含有酵母など) で、合成成分は化学名、物質名 (レシチン、ビタミンB1など) で書かれています。つまり、例えば添加物の名が上位に並び、下位に出てくるビタミン類が化学名のビタミンサプリメントは、ビタミン類の含有量が少ない合成ものということになります。配合量については、サプリメント大国の米国のものと国産のものとでは大きな開きがあります。とくに国産のビタミンサプリメントでは効果が期待できるほどの含有量には程遠いものが少なくないため、医師や栄養学の専門家が監修・プロデュースする高品質・高配合の商品を選びたいものです。
サプリメントと医薬品・食品の相互の影響は必ずチェック
医薬品や食品、サプリメント間の相互の影響についても配慮する必要があります。例を挙げると、血液凝固抑制剤 (血液をサラサラにする薬) はオメガ3系脂肪酸のEPAやイチョウ葉エキスによりその効果が増強され、納豆や青汁、ビタミンKなどで減弱します。グレープフルーツは血圧の薬 (カルシウム拮抗剤) の働きを、ゴーヤ、桑の葉、クロムなどは血糖降下剤の働きを強めてしまいます。抗うつ効果のあるサプリメントとして知られているセントジョーンズワートは、血液凝固抑制剤、強心剤、気管支拡張剤、抗HIV剤などの多くの薬剤に対しその効果を抑制してしまうため、主治医との相談はなくてはならないでしょう。また、脂質異常症の薬剤 (スタチン系) はコエンザイムQ10の体内での合成を抑えるため、サプリメントによる補充が必要です。
いつ飲むのが効果的?
摂取のタイミングについては、いつ摂取しても問題ないものがほとんどですが、多くは食後、とくに脂溶性のものではアブラ分を多く含む食事の後が望ましく、アミノ酸やハーブ類、ヘム鉄、グルコン酸亜鉛などでは空腹時が最も吸収されやすいと考えられています (但し、アミノ酸については、アミノ酸スコアを高める目的で食後が良いとする考えもあります)。脂溶性のビタミン (A、D、E、K) は一括して、水溶性 (B群、C) は分割して摂るのが望ましく、ミネラルについては水溶性ビタミンと同様に分割が良いとされています。
摂取時の飲みものについては、お茶やジュースではなく、なるべくはミネラルウォーターか浄水器を通した水道水をお勧めします。サプリメントも食品です。高品質・高配合量のものを選ぶのはもちろんですが、食べ合わせや飲み合わせ、摂取タイミングなどについても留意しながら上手に摂りましょう。ルスツのアンチエイジング専用ラウンジでは、管理栄養士が体チェックと共に、食事療法やサプリメントのご相談も承っておりますので、お気軽にお立ち寄りください。